会陰ヘルニア

1年前に会陰ヘルニアと診断させていただいたワンちゃんが食欲元気が全くなく、尿も便も出ないとのことでぐったりして来院されました。

診察するとヘルニア部位に膀胱、前立腺と結腸が入り込み、尿道がねじれて尿道閉塞をおこし、急性腎障害も併発していました。

一般状態もかなり悪かったですが、救命するためには臓器の位置を適切に戻す必要があり、相談の結果手術を行いました。

手術内容は腹腔内陰睾摘出(両側腫瘍化)、結腸固定、精管固定(両側)、内閉鎖筋転移術(両側)、浅殿筋転移術(両側)と多岐にわたりました。術後は排尿機能に問題が生じているため今現在はケアを必要としますが、自立した食事と排便が行えるまでに回復しています。本日抜糸に来ていただきましたが、とても元気で安心しました。

会陰ヘルニアは文献によると性差関係なく発症するようですが、個人的には犬の未去勢雄での経験しかありません。繁殖を考えられていない場合、会陰ヘルニア予防に若い年齢での去勢手術は有効です。

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