がん治療①

今日はガンと闘っているワンちゃんについてお話します。

このワンちゃんは膀胱がんの移行上皮癌と闘っています。

膀胱にもガンが出来ます。

血尿の症状に気がついて来院されることが多いです。

膀胱の腫瘍は、悪性の上皮ガンである移行上皮癌が多いです。

診断時には転移があったり、手術で切除が無理な場所であったりとイヤな腫瘍のひとつであります。

神戸セントラル動物病院通信

超音波検査で膀胱内に出来物をみつけました。

神戸セントラル動物病院通信 手術適応かどうか、各種検査を慎重に行います。

がん治療の3本柱は手術、放射線療法、化学療法です。

この子は手術を行い、術後に3週間に1回の化学療法(抗がん剤)と2日に1回の飲み薬の治療を行っています。

術後約半年になりましたが、体重も落ちず食欲もあります。

大きな副作用もでてきていません。

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今回の抗がん治療を終えたじぃちゃん。

お姉さんを待つ顔がなんともかわいい。

腫瘍

たまねぎ中毒

神戸セントラル動物病院通信 今日はたまねぎ中毒についてお話します。

ワンちゃんやネコちゃんにタマネギを食べさせるとタマネギ中毒という病気になることはよく知られています。

しかしタマネギ中毒について誤解されている方もいらっしゃるようです。

先日も『すき焼きのネギを食べてしまった。先生、下痢するだけでしょ?』と電話で聞かれました。

タマネギ中毒は、タマネギ、ネギに含まれる酸化成分によって赤血球が傷害され、貧血を発症する病気です。

写真の→部分が赤血球が変形したハインツ小体というものです。

これができると赤血球は破壊されやすくなってしまいます。

食べてすぐに発症するわけではないです。一番ひどく症状が出るのは数日経ってからです。

赤血球が大量に溶血を起こし、貧血になります。

貧血になると、全身の細胞に十分な酸素を届けることが出来なくなります。ひどい場合は色々な臓器が障害を受けます。

みんな全ての子がタマネギ中毒を起こすかはわかりません。少しだけ食べてもダメな子もいれば、かなり食べても大丈夫な子もいるようです。

事前に大丈夫かどうかを知る方法はありません。

食べた直後であれば、どのようにするべきか獣医師さんに診てもらいましょう。

時間が経ってしまった場合は、貧血は起こっていないのかチェックしてもらいましょう。

病気について

1歳の誕生日

神戸セントラル動物病院通信今日はうちのアイドル手鞠ちゃんの1歳の誕生日です。

やんちゃと怖がりがセットになったまま1歳を迎えていますが、賢くもなってとてもかわいいです。

誕生日プレゼントに、おもちゃとワンニャンドック健康診断をあげました。

おもちゃは速攻で破壊し、ただの丸いボールになってしまいました。

ワンニャンドック健康診断の結果も異常がなく健康そのものです。

これからも手鞠のこともよろしくお願いします。

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『できもの』の検査

神戸セントラル動物病院通信今日は『できもの』の検査についてお話します。

『できもの』は大きく分けると『腫瘍のできもの』・『炎症のできもの』に分けることが出来ます。

『腫瘍の出来物』はさらに良性・悪性に分けられます。

検査は『できもの』に細い針をさして、針の中に入った細胞を染色して顕微鏡で観察。

表面がこすれているような『できもの』には、ガラスにこすりつけ染色して細胞を観察。

これを細胞診といいます。

痛みも少なく、すぐ検査ができるのがメリットです。

具体的な診断名まで出せる腫瘍性疾患もありますが、わかりづらいものも出てきます。

わからないものはもう少し大きな材料で検査を行うために、つまようじくらいの針で組織を取ったり、切除して病理検査を行ったりします。

からだの表面(皮膚)にできる腫瘍は、わんちゃんで1番多く、ねこちゃんでも2番目に多いのです。

たとえ悪性であっても、早めに対応することで事なきを得ることもあります。

犬種・猫種・性別によってできやすい腫瘍にも違いがあります。

たとえば・・・

    女の子はわきの下から股のところなどに乳腺腫瘍

    ボクサー、ゴールデン、パグは肥満細胞腫になりやすい!

など、ほかにもたくさんの腫瘍があります。

写真はワンちゃんの前足にできた1センチにも満たない小さなしこりを細胞診しました。

これは肥満細胞という特徴的な細胞がみられるので、肥満細胞腫と診断されます。

わんちゃん・ねこちゃんの体に何か『できもの・しこり』を見つけられた場合は検査をしてあげましょう。

日頃から体のすみずみまで触ってあげてください。

スキンシップが、とても大事ですね!!

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