骨肉腫

骨にできる悪性腫瘍があります。

進行すると骨折する事が避けられなくなりますので、断脚などが処置として取られることになります。

悪性腫瘍で外観や機能を著しく損なわなければならない手術がベストになる場合は、そうでない手術よりも御家族に与える心理的な負担が大きくなります。

癌であるという事実、大きな手術の選択、術後の生活の不安など一度の診察で伝えられる側の悲観は想像するに難くはありません。

しかし大きな切開、切離などを伴う手術は麻酔方法、鎮痛薬の使い方、手術方法、使う医療器具などで術後の動物たちの様子がずいぶんと変わると感じています。

このような医療機械を使えると出血はほとんどなく終えることができます。ご家族の方は直接目にすることがない現場です。執刀する私は、様々な条件の変化で断脚術も10数年前と同じ手術ではないと言えるほどの違いを感じています。こういったことが少しでも外観や機能に影響を及ぼす手術を受けられるご家族の心労の助けになればと思います。

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外科, 腫瘍

硬膜外麻酔

手術などでの強い痛みが、術後の回復を悪くするのは人と犬猫においても同じです。

手術の時の痛みを予防するにはいくつか方法がありますが、硬膜外麻酔によるペインコントロールについてご説明します。

硬膜外麻酔法は、全身投与に比べ局所における強力な鎮痛効果が得られ、使用する鎮痛薬の量が非常に少なくすみます。

デメリットは、毛刈りを背中にしますので発毛遅延がみられることもあります。排尿不全が起こる可能性がありますが多くの場合は24時間以内に解決されます。ネコちゃんでは脊髄の終点に当たる可能性がありますので神経障害のリスクがあるので注意が必要です。

当院で硬膜外麻酔は、後肢の整形外科(パテラ、レッグペルテス、前十字靭帯、骨折)、会陰ヘルニア整復術、会陰尿道瘻設置術、後肢の断脚術などの強い痛みを引き起こす外科手術の際は必ず行うようにしています。避妊手術など腹部外科にも適応可能ですのでご相談ください。

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外科

空気圧縮装置の導入

昨年から稼働していますのでだいぶ前の話になりますが、手術室に空気圧縮装置の導入をしています。

最近は100%酸素を用いない麻酔管理について非常に注目が集まっています。これまでの当たり前であった100%酸素を流しながら麻酔管理をする方法ですが、無気肺など合併症を引き起こすことがわかってきました。

そこで当院は麻酔の安全性を高めるために酸素濃度を40%前後になるように調整し麻酔管理を行っています。

麻酔は家族の方も大変心配かとおもいますし、私も大変気を遣う分野であります。少しでも安全性を高められることには妥協することなくやっていきたいと思います。

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医療機械のご紹介