会陰ヘルニア

1年前に会陰ヘルニアと診断させていただいたワンちゃんが食欲元気が全くなく、尿も便も出ないとのことでぐったりして来院されました。

診察するとヘルニア部位に膀胱、前立腺と結腸が入り込み、尿道がねじれて尿道閉塞をおこし、急性腎障害も併発していました。

一般状態もかなり悪かったですが、救命するためには臓器の位置を適切に戻す必要があり、相談の結果手術を行いました。

手術内容は腹腔内陰睾摘出(両側腫瘍化)、結腸固定、精管固定(両側)、内閉鎖筋転移術(両側)、浅殿筋転移術(両側)と多岐にわたりました。術後は排尿機能に問題が生じているため今現在はケアを必要としますが、自立した食事と排便が行えるまでに回復しています。本日抜糸に来ていただきましたが、とても元気で安心しました。

会陰ヘルニアは文献によると性差関係なく発症するようですが、個人的には犬の未去勢雄での経験しかありません。繁殖を考えられていない場合、会陰ヘルニア予防に若い年齢での去勢手術は有効です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

外科

二次口蓋裂

二次口蓋裂の子犬さんが来院されました。

口腔と鼻腔が直接連絡したままになっており、食事などが鼻腔に流れこんでくしゃみ、咳、鼻汁がでて、誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いです。

成長を待っている間に誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれませんので、早めの手術が望ましいです。

今回はダブルフラップ法で手術を行いました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

外科, 歯科

硬膜外麻酔

手術などでの強い痛みが、術後の回復を悪くするのは人と犬猫においても同じです。

手術の時の痛みを予防するにはいくつか方法がありますが、硬膜外麻酔によるペインコントロールについてご説明します。

硬膜外麻酔法は、全身投与に比べ局所における強力な鎮痛効果が得られ、使用する鎮痛薬の量が非常に少なくすみます。

デメリットは、毛刈りを背中にしますので発毛遅延がみられることもあります。排尿不全が起こる可能性がありますが多くの場合は24時間以内に解決されます。ネコちゃんでは脊髄の終点に当たる可能性がありますので神経障害のリスクがあるので注意が必要です。

当院で硬膜外麻酔は、後肢の整形外科(パテラ、レッグペルテス、前十字靭帯、骨折)、会陰ヘルニア整復術、会陰尿道瘻設置術、後肢の断脚術などの強い痛みを引き起こす外科手術の際は必ず行うようにしています。避妊手術など腹部外科にも適応可能ですのでご相談ください。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

外科

腹腔鏡下避妊手術のQ&A

当院では避妊手術の方法を開腹(一般的な方法)と腹腔鏡手術のどちらかで選んでもらっています。

腹腔鏡下避妊手術についてよく聞かれることにお答えします。

Q.2Kg以下のワンちゃんはできないと聞きました。

A.当院では小型犬のワンちゃんの手術実績が多く、1.5~2kg前後のワンちゃんの症例数が一番多いです。体重やサイズで手術できないとお断りしたことはありません。

この1年では 一番小さいサイズは、1.06kgのチワワちゃん、1.08kgのポメラニアンちゃんが小さかったです。反対に超大型犬は、セントバーナード犬の実績があります。

またネコちゃんも生後半年ぐらいですと2kg前後のことが多いですが、もちろんサイズに問題はございません。

Q.手術時間は長くなりますか?

A.当院での腹腔鏡下避妊手術の時間は30分とお伝えしています。

脂肪の少ないワンちゃんやネコちゃんですと20分前後で終わります。手術技術の向上と手術室の改良で時間短縮が可能となりました。さらなる進化を目指します。

Q.腹腔鏡手術は安全ですか?

A.すべての手術は十分な準備と十分な経験がないと行う資格がないと思っております。当院での腹腔鏡手術の結果、大きな問題を起こしたことはありません。開腹手術と比べておなかの中がよく見える方法です。剥離や切除後の微細な出血も見過ごしませんので、技術のある者が行えばより安全性は高いと思っております。

外科, 腹腔鏡手術

猫の事故による口蓋裂など

野良ネコちゃんが、元気食欲がないとのことで来院されました。

顔に大きな外傷を受けています。おそらく車との接触でしょう。

口蓋裂(上あご(口の蓋)に亀裂が生じてしまう)や眼球にも外傷があって、このままでは食事ができません。

幸いネコちゃんを保護してくれた方の今後のサポートがありましたので頑張って手術を受けてもらいました。

外科, 歯科

犬の慢性胆嚢炎

激しい嘔吐の症状でわんちゃんが来院されました。

検査の結果は、胆嚢炎です。

激しい脱水や炎症のため状態が悪いです。

数日の入院内科治療後に手術を受けてくれました。

術後の回復が芳しくなかったですが、小さい体で頑張ってくれました。本日自力で食事がとれるようになりましたので退院です。

外科

垂直外耳道切除術

外耳炎は多くのわんちゃんが持っている病気の一つです。

定期的に処置をさせていただいたり、家での定期管理ができている場合はうまくいくことが多いです。しかし治ったように思って無処置で過ごしますと、実際には徐々に少しずつ悪化してしまうようです。

当院では、うまくコントロールができていない外耳炎、中耳炎に耳道内視鏡での処置をおこなっております。耳道内視鏡による洗浄で非常に良好に改善できる場合もあります。

しかし、症例によっては外耳炎を悪化させないために予防的に外耳道を形成したり、すでに悪化している場合には外耳道を切除して根本的に外耳炎の解決を図る場合もあります。

耳道が狭窄している場合や耳道内に腫瘤ができている場合、そして中耳炎を伴っている場合は、外科的な介入が適切かとおもいます。

この下の画像の子の外耳道は感染・炎症で匂いがひどく、ご近所の方たちも耳が悪くなってから触ってくれなくなり、本人も不快感から性格が暗くなってしまったと家族の方が言われていました。何年も前から耳が悪く治療していたが、最近は匂いがひどくて何とかならないかということで来院され、手術を提案させていただきました。

手術を頑張ってくれて、術後は匂いも不快感もなくなり、元の明るい性格に戻ったと家族の方にも喜ばれました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

術前の耳の穴が見えないジュクジュクした外観です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

術後のすっきりとした外観です。

外科, 耳科

雄猫の会陰尿道瘻形成術

雄猫ちゃん,

尿道の出口側の先端に問題があり、排尿できずに苦しんでいる場合に行う手術です。

猫ちゃんの食事の向上で手術する機会は減りましたが、当院では結石、尿道栓子による再発や狭窄による尿道閉塞をおこして苦しんでいる雄猫ちゃんの救済策として定期的に要望があり手術しております。

今回の猫ちゃんも尿が出なくて苦しんでいました。尿道に問題があり、管が入りません。緊急手術が必要です。

緊急手術のため昼間の休憩時間がまったく取れませんでしたが、手伝ってくれたスタッフに感謝します。あんなにしんどそうだった猫ちゃんが術後に気持ちよさそうに食事をとっているのを見ると多少の疲れなんて吹っ飛びます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA術前は、息んでもジワリとしか排尿できなかった子が、術後にドォーっとおしっこが出るのを確認して手術スタッフから歓声があがりました。画像は術部の様子です。

外科

猫の膀胱結石

血尿で来院した猫ちゃん。

診察の結果は、膀胱結石でした。

手術方法は極細内視鏡使用の膀胱結石摘出術(腹腔鏡補助下膀胱結石摘出)です。

STILL IMAGE

ギザギザした痛そうな結石がたくさんとれました。

内視鏡でのぞいた様子です。

 

 

 

 

ずっとトイレでの様子がおかしかったようです。おうちに来た当初からそのような感じでしたとのこと。

術前は性格もおとなしくジャンプしたり走り回ることも無かったようです。

先日手術を行い、本日ホテルで来院された際に、すごく元気で走り回ってジャンプしていますと家族の方が驚かれて笑顔いっぱいでした。

私もうれしいです。

外科, 腹腔鏡手術

腹腔内巨大腫瘤

おしっこの様子が変だと来院されたワンちゃん。

診察すると様子がおかしいようです。

お腹の中、脾臓に大きな腫瘤ができています。

5261_17468_20160213095917.0

 

 

 

 

 

 

脾臓の出血を起こしているような腫瘍の摘出では、通常の術前検査は当たり前ですが、

特に出血をコントロールできるのかをチェックするために、血小板数や凝固時間(PT、APTTなど)の確認はとても重要になってきます。

この検査などがおろそかであれば、出血をコントロールできず大変な事態が容易に想像されます。

手術は癒着が激しく腫瘍も自壊し出血を起こしていましたが、手早く手術を終わらせて本日無事に退院されていきました。

がんばりましたね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

大きい腫瘤でした。

当院では脾臓などの確認には、定期的なエコー検査を含む検診の重要性をお伝えしていきたいと思います。

 

外科, 腫瘍