二次口蓋裂の子犬さんが来院されました。
口腔と鼻腔が直接連絡したままになっており、食事などが鼻腔に流れこんでくしゃみ、咳、鼻汁がでて、誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いです。
成長を待っている間に誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれませんので、早めの手術が望ましいです。
今回はダブルフラップ法で手術を行いました。

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二次口蓋裂の子犬さんが来院されました。
口腔と鼻腔が直接連絡したままになっており、食事などが鼻腔に流れこんでくしゃみ、咳、鼻汁がでて、誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いです。
成長を待っている間に誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれませんので、早めの手術が望ましいです。
今回はダブルフラップ法で手術を行いました。
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暖かくなってきたこともあり、アレルギー性皮膚炎のワンちゃんではかゆみが増してくるつらい季節となりました。
アトピーや食物アレルギーの診断は、適切に除外診断を繰り返して行わなければなりません。
簡単な診断方法もありませんし、簡単に原因を特定できる方法もありません。
15年前と比べれば色々なことが出来るようになり、かゆみを抑える方法も増えてきました。
それでも1頭1頭に丁寧な診断や対処が必要なのは変わりません。
最近、ネットなどで受けられる被毛ミネラル検査(唾液や被毛でアレルギーの原因が特定できるという検査)について飼い主さんから質問をうけました。
私自身知らなかった検査ですが、米国で犬猫皮膚科専門クリニックを開院されている専門医によると信憑性に欠け、検証もされていなく、お勧めされないということでした。
ご留意ください。
成長期の小型犬で起こりやすい膝蓋骨(パテラ)脱臼とレッグペルテス症(大腿骨頭壊死症)という病気があります。
この子は右後肢を着かないということで来院され、レッグペルテス症と診断しました。
手術法の相談や予定などを調整し1か月後の手術日に来院されましたら、今度は左後肢の膝蓋骨脱臼が進行し足を上げていました。
左後肢の膝蓋骨脱臼のほうが症状がひどく排尿排便の姿勢が痛そうとのことで、先に左ひざの手術、そして1か月後の今日に右股関節の手術をがんばってくれました。術後晩のご飯もモリモリ食べてくれています。あとはリハビリを頑張りましょう。
小型犬では歯周病が重度に進行し下顎骨が薄くなった結果、簡単な衝撃で骨折してしまうことがあります。
今回のワンちゃんは重度な歯周病でしたが、何かの拍子に骨折してしまったようです。強い痛みで食事がとれませんでした。
過去には無麻酔で歯石とり行為をしたトリミングショップで下顎骨骨折を起こした可能性のある小型のわんちゃんを診察したことがあります。※無麻酔歯石取りには反対しております。
適切な歯磨きや歯周ポケットの歯石除去をおこなうことが、歯周病を防ぐために一番大事なことです。
手術などでの強い痛みが、術後の回復を悪くするのは人と犬猫においても同じです。
手術の時の痛みを予防するにはいくつか方法がありますが、硬膜外麻酔によるペインコントロールについてご説明します。
硬膜外麻酔法は、全身投与に比べ局所における強力な鎮痛効果が得られ、使用する鎮痛薬の量が非常に少なくすみます。
デメリットは、毛刈りを背中にしますので発毛遅延がみられることもあります。排尿不全が起こる可能性がありますが多くの場合は24時間以内に解決されます。ネコちゃんでは脊髄の終点に当たる可能性がありますので神経障害のリスクがあるので注意が必要です。
当院で硬膜外麻酔は、後肢の整形外科(パテラ、レッグペルテス、前十字靭帯、骨折)、会陰ヘルニア整復術、会陰尿道瘻設置術、後肢の断脚術などの強い痛みを引き起こす外科手術の際は必ず行うようにしています。避妊手術など腹部外科にも適応可能ですのでご相談ください。
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昨年から稼働していますのでだいぶ前の話になりますが、手術室に空気圧縮装置の導入をしています。
最近は100%酸素を用いない麻酔管理について非常に注目が集まっています。これまでの当たり前であった100%酸素を流しながら麻酔管理をする方法ですが、無気肺など合併症を引き起こすことがわかってきました。
そこで当院は麻酔の安全性を高めるために酸素濃度を40%前後になるように調整し麻酔管理を行っています。
麻酔は家族の方も大変心配かとおもいますし、私も大変気を遣う分野であります。少しでも安全性を高められることには妥協することなくやっていきたいと思います。
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明けましておめでうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
4日から診療開始しております。
昨日はお正月に普段食べなれていない物をもらった下痢嘔吐のワンちゃんの来院が多かったです。胃腸が強い子は何を食べても変わりないですが、おやつを含めた食生活の変化で胃腸症状を出してしまう子も多いのでご注意ください。
本年の診療は先ほど終了しました。
当院をご利用いただきまして大変ありがとうございました。来年も皆様の大切なご家族の力になれるように、向上心を持って勤勉に努めたいと思います。
またスタッフの皆にもありがとうございました。診察・手術・入院・トリミングと力を合わせて頑張ってくれました。感謝しています。
来年もよろしくどうぞお願いします。良いお年をお迎えください。
三宅
当院では避妊手術の方法を開腹(一般的な方法)と腹腔鏡手術のどちらかで選んでもらっています。
腹腔鏡下避妊手術についてよく聞かれることにお答えします。
Q.2Kg以下のワンちゃんはできないと聞きました。
A.当院では小型犬のワンちゃんの手術実績が多く、1.5~2kg前後のワンちゃんの症例数が一番多いです。体重やサイズで手術できないとお断りしたことはありません。
この1年では 一番小さいサイズは、1.06kgのチワワちゃん、1.08kgのポメラニアンちゃんが小さかったです。反対に超大型犬は、セントバーナード犬の実績があります。
またネコちゃんも生後半年ぐらいですと2kg前後のことが多いですが、もちろんサイズに問題はございません。
Q.手術時間は長くなりますか?
A.当院での腹腔鏡下避妊手術の時間は30分とお伝えしています。
脂肪の少ないワンちゃんやネコちゃんですと20分前後で終わります。手術技術の向上と手術室の改良で時間短縮が可能となりました。さらなる進化を目指します。
Q.腹腔鏡手術は安全ですか?
A.すべての手術は十分な準備と十分な経験がないと行う資格がないと思っております。当院での腹腔鏡手術の結果、大きな問題を起こしたことはありません。開腹手術と比べておなかの中がよく見える方法です。剥離や切除後の微細な出血も見過ごしませんので、技術のある者が行えばより安全性は高いと思っております。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、神戸市では身寄りのない犬猫の引き取り手を探し、殺処分を減らす活動を行なっています。
さらに昨年度から神戸市獣医師会が中心となって有志の獣医師会員の動物病院が、離乳前の仔猫の世話などをするミルクボランティアなどを行なっています。
離乳前は、数時間おきの哺乳やきめ細かい体調管理が必要なため、そのままでは一般の飼い主に譲渡できません。その間を繋ぐのがミルクボランティア活動です。
新たにねこちゃんを家族に迎えようと考えられている方は、神戸市動物愛護センターに連絡してみてはいかがでしょうか?当院で預かっている子もまだ2頭が決まっていません。
動物愛護センターから当院に来たときはへその緒がくっついていましたが、もうすぐ新しい飼い主さんのもとへ。ここまで育てるのは本当に大変で、仕事をしながらのお世話には本当に頭が下がります。ミルクボランティアの方は寝不足でしょうね。