スケーリング(歯周病治療)

🦷当院のスケーリング(歯周病治療)の流れとこだわり

「歯石取り」と聞くと簡単な処置に思われがちですが、実際の歯周病治療は非常に繊細で、全身管理や精密な処置が必要です。

当院では、動物の健康と安全を最優先に、科学的根拠に基づいた歯科医療を提供しています。

🗓 ご予約制での対応

歯科処置は完全予約制となっております。

当日の流れは以下の通りです。

  1. 午前中にご来院いただき、術前検査を実施
     麻酔前に血液検査や身体検査を行い、安全に処置を行える状態か確認します。
  2. 点滴を行いながら待機
     全身麻酔に備え、事前に静脈点滴で体調を整えます。
  3. 正午以降に全身麻酔下で処置開始
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  5. 歯医者さんで当たり前に行われている歯科検診を動物にも必須でおこないます。
     ・歯科専用の器具を用いて触診・プロービング(歯周ポケットの深さ測定)
     ・歯科用レントゲン撮影(目に見えない歯の内部の状態を確認)
     ・スケーリングとルートプレーニング(SRP)を実施

 

🔬すべての歯科処置にマイクロスコープを使用

当院では**全ての歯科処置にマイクロスコープ(手術用顕微鏡)**を導入しています。

これにより、

  • 肉眼では見えない歯周ポケットの内部や縁下歯石を正確に確認
  • スケーラーの刃先の角度や動き、軟組織への影響まで把握しながら処置可能
  • 手指の感覚だけに頼らず、確実かつ低侵襲な治療が可能になります

 

🙅無麻酔での歯石除去はおすすめしていません

歯周病の主な原因は「バイオフィルム(プラーク)」です。

歯石そのものには強い病原性はありませんが、歯石の表面はプラークが付着しやすく、歯周病が進行する足場となります。

しかし、縁下(歯茎の内側)や奥歯の裏側の処置は、無麻酔では到底不可能です。

見えない場所を手探りで処置することは、

  • 病変を見逃す
  • 組織を傷つける
  • 動物に痛みやストレスを与える
    といったリスクがあり、治療としての意味も安全性も確実性もありません。
    当院では、動物にとって意味のない処置は行いません。あと獣医師免許を持っていない人が行うことは違法です。

 

🛠必要に応じた追加処置にも対応

歯の状態に応じて、以下のような処置も同日または別日で行います。

  • 歯周外科処置・再生療法:スケーリングやSRPだけでは改善が難しい場合に選択
  • 歯の補修や歯内治療:歯の破折がある場合
  • 埋伏歯の抜歯:将来的なトラブル(嚢胞形成や炎症)を防ぐため

これらの処置もすべてマイクロスコープを用いて、精密かつ安全に実施します。

◎まとめ

当院では、単なる「歯石取り」ではなく、

病気の進行を防ぎ、動物の健康寿命を延ばす歯科治療を目指しています。

精密な診断と安全な麻酔管理、そして確実な治療を通じて、

大切なご家族の健康を守るお手伝いをしています。

気になる症状がある方、定期的な歯科チェックをご希望の方は、ぜひご相談ください。

歯科

埋伏歯

永久歯の本数が少ない?—埋伏歯のリスクと処置について

永久歯が生え揃う月齢になっても、歯の本数が少ないことがあります。その場合、単に歯が生えていないのか、それとも歯が顎の中に埋まっているのかを確認することが重要です。

当院では、歯の処置を行う際に必ず歯科レントゲンで確認を行います。埋伏歯は放置すると、将来的に嚢胞を形成し、顎の骨を溶かしてしまうことがあるため、適切な処置が必要です。

先日、非常に小さな埋伏歯が複数個見つかりましたが、マイクロ顕微鏡を使用することで、最小限の傷で無事に取り出すことができました。

歯の本数が少ないと感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

歯科

歯が欠けた(破折)

硬いものを噛んだり、ケンカしたなどの衝撃で歯が欠ける、折れる事があります。

折れることが特に多いのは、上の奥歯(第四前臼歯)です。

この場合の治療選択肢は2つです。

①抜歯

②保存治療

❌経過をみるは悪手で痛みもありますし、感染が歯の中に広がり膿をためるようになります。

 

①抜歯は一回の麻酔処置で終わらせられるのですが、抜いたものは元に戻りません。噛み合わせの下顎の歯と上顎の干渉も考えなければなりません。

 

②保存治療は歯を残すために歯内治療を行うことです。生活歯髄切断法と抜髄法がありますが、適応は十分に吟味しなければなりません。術後も定期検診は欠かせませんが、歯を残し噛んで食べる選択肢を残してあげたい場合にはご相談ください。

歯科

猫の歯肉炎

歯肉が赤くただれて、食事が出来なくなった猫ちゃんが来院されました。

ただ歯石をとるクリーニングだけではなく、

麻酔下で歯科用レントゲン確認していきますと、歯は溶けて根っこだけ残っているものや

  1. 歯石はほぼ付いていないが、根っこが溶けている歯も含めて治療しました。
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  12. 以前はステロイドや抗生剤を繰り返し使い誤魔化してきたそうですが、術後から食欲が戻ってすごく元気になったとうれしいご報告がありました。
歯科

予防的歯科治療

当院では予防的歯科治療にも力をいれています。

ご紹介で遠方から来院される方も増えており謙虚に頑張らないとと診療にあたっております。

歯の健康を守るためには、やはり歯磨きです。

歯磨きを頑張っていただいていても付いてしまうのが歯石です。

ついてしまった歯石を甘く考えずに、適切な方法で処置をすれば歯周病は防げます。

歯周病が進行すると歯を失うことになります。

無麻酔で歯石を取っても歯周病は治りません。

悪くなる前の予防的な歯科治療が大事かと思います。

この機械を導入して歯科治療がより効率よく行えています。

歯科

二次口蓋裂

二次口蓋裂の子犬さんが来院されました。

口腔と鼻腔が直接連絡したままになっており、食事などが鼻腔に流れこんでくしゃみ、咳、鼻汁がでて、誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いです。

成長を待っている間に誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれませんので、早めの手術が望ましいです。

今回はダブルフラップ法で手術を行いました。

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外科, 歯科

歯周病による下顎骨骨折

小型犬では歯周病が重度に進行し下顎骨が薄くなった結果、簡単な衝撃で骨折してしまうことがあります。

今回のワンちゃんは重度な歯周病でしたが、何かの拍子に骨折してしまったようです。強い痛みで食事がとれませんでした。

過去には無麻酔で歯石とり行為をしたトリミングショップで下顎骨骨折を起こした可能性のある小型のわんちゃんを診察したことがあります。※無麻酔歯石取りには反対しております。

適切な歯磨きや歯周ポケットの歯石除去をおこなうことが、歯周病を防ぐために一番大事なことです。

整形外科, 歯科

犬の重度歯周炎

重度の歯周炎で、臭いがひどく、痛みから口を触らせてくれません。歯槽膿漏。

子犬のころからの歯磨きや予防的歯科処置が重要です。

ただ抜くのではなく、鼻と瘻管形成していますので、きれいにして塞ぐような縫合処置が重要です。

*無麻酔で歯石を取るという医療行為は当院では行っておりません。怖くて、痛くて、意味がないからです。

歯科

猫の事故による口蓋裂など

野良ネコちゃんが、元気食欲がないとのことで来院されました。

顔に大きな外傷を受けています。おそらく車との接触でしょう。

口蓋裂(上あご(口の蓋)に亀裂が生じてしまう)や眼球にも外傷があって、このままでは食事ができません。

幸いネコちゃんを保護してくれた方の今後のサポートがありましたので頑張って手術を受けてもらいました。

外科, 歯科

抜歯

当院では、現状に満足することなく、よりワンちゃんネコちゃんたちと家族の方々の
役に立てるよう日々勉強し、同時に設備を充実させていくことを目指しています。

ここ数年は歯科治療にも力を入れており、歯科専用のレントゲンの導入もしております。これにより歯を抜くべきか、それとも抜かないで大丈夫かをより正確に判断できるようになっております。

通常の歯石除去時にも必要に応じて、歯周ポケットが深い歯には撮影しております。

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 こちらのレントゲンでは歯の根に膿を持っている(歯根嚢胞)。

残念ながら抜歯が必要です。

歯科