久しぶりの更新です。
今日は朝から夜まで院内から一歩も外に出ませんでしたが、
なぜか蚊に3か所も刺されました![]()
今年はあまりに熱い夏だったために、夏場の蚊の発生はすくなかったようですね。
神戸は例年11月まで蚊の発生があります。
今年はフィラリア予防が不完全だったわんちゃんの感染が何頭か検査で見つかっています。
11月のフィラリア寄生に関しては、12月のお薬で駆虫します。
ぜひお忘れないようにお願いします。
朝晩はだいぶ涼しくなってまいりました。
風邪などひかないようにお気を付けくださいね。
今日は動物の感じる痛みについて。
痛みの感じ方は人の場合でも個人差がありますように、
わんちゃんねこちゃんもそれぞれ感じ方が違うように思います。
こんな事に(*_*)なっているのに食事をとれてすごいなぁと感じることもありますが、
わたしはその子が受けいているであろう痛みを自分に置き換えて想像してあげることが必要だと思っています。
採血やお注射をしてまったく痛みを示さない子がいると、家族の方が「この子は痛みを感じないのでは?」と心配されたりします。
痛みはあります、とても緊張しているのかとても穏やかな性格なのだと思います。
痛みには巨大化した腫瘍や骨転移などの腫瘍性疾患、去勢手術・避妊手術や外科手術に関連した痛み、歯周病や歯根部膿瘍などの歯科疾患、膝蓋骨脱臼や変形性関節症などの整形外科疾患・・・いろいろあります。
痛み止めにもいろいろあります。
その子にあった治療法と同時に有効な痛み止めを使って、元気になってもらえたらなぁと考えています。![]()
今日は副腎皮質機能亢進症についてお話します。
この病気は過剰な副腎皮質ホルモンが体の中に放出されるために様々な症状が起きる病気です。
主な症状として
①多飲多尿(お水をたくさん飲んで、たくさんおしっこをする) ②多食(食欲がすごくある) ③毛が薄くなる ④お腹が張っている ⑤足腰が弱くなる
超音波検査で左副腎はピーナッツ状です。大きさ・形状を測定し、診断に役立てます。
お家で、よく食べよく飲んでお腹もポッコリしているととても健康なイメージを抱いてしまいます。
進行すると感染症や糖尿病、筋力の低下、神経症状、肺血栓塞栓症などが起こる可能性があります。
クッシング症候群の治療は一般的には薬物治療(のみぐすり)が主となりますが、診断によっては脳下垂体の外科手術や放射線治療も行われます。しかし外科手術や放射線治療をおこなっている施設は限られていまして、わたしは1施設づつしか知りません。
上記の症状が出てくるのは、お年のわんちゃんで多いです。当てはまることがあればご相談ください。
目頭の内側にある瞬膜腺がとび出して赤く腫れあがった状態をチェリーアイといいます。
目にさくらんぼをつけているように見えるのが名前の由来です。
炎症を起こして、慢性的な不快感もありますでしょうし、
本人以上に家族の方がびっくりしてしまいますよね。
手術後のぱっちりオメメのお顔です。
検査の結果、陽性(+)でした。
感染してしまうとわんちゃんに負担をかけないで駆除する方法はありません。
心臓の血管にソーメンのような虫が寄生しますので心臓への影響は強く、
咳や呼吸困難、腹水、貧血などさまざまな症状を出します。
神戸は5月から12月までの毎月の予防を忘れなければ、
感染することはありません。
会陰ヘルニアという病気についてお話します。
会陰ヘルニアは、去勢をしていないわんちゃん(♂)に多く発生します。
会陰:おしりのまわり
ヘルニア:脱出した状態
おしりの周りの筋肉が薄く緩んできたために、
その隙間から腸や膀胱が飛び出してしまうというなんとも恐ろしい病気です
←おしりの右側は便がたまって腫れています。
*腸が飛び出せばうんちを出しにくくなり、
指でうんちを掻き出してあげなければなりません。
*膀胱が飛び出せばおしっこを出すことができなくなり緊急事態です。
右側のおしりが飛び出してしまうことが多いですが、両側でおこることもあります。
再発が起こることもある病気ですが、
手術をしっかりして快適な生活を取り戻してあげることが大事だと考えています。
予防は若いころの去勢手術です。会陰ヘルニアは男性ホルモンの関与が考えられています。
術後の様子です。肛門と腸の位置が正しくなりました。
この子は2・3ヶ月うんちを出しにくい生活をしていたとのことです。
これですっきりうんちが出て、快適にすごせられます
お年を取ってきたわんちゃん・ねこちゃんは、知らず知らずのうちに体調が悪くなってしまっている事があります。
・水を飲む量が増えた。
・体重が軽くなった。
・おなかが大きくなってきた。
・できものがある。
などなど様々ありますが、若いころと比べて変わってきたことは注意が必要です。
お年を取ってきたからだと納得されていると進行していることが多いです。
食欲や元気の様子が大きく変わらないと、獣医師に診てもらうタイミングが遅くなってしまうようです。
定期健診などで問題が見つかっている場合は、その後の定期チェックも大事です。
単純比較は難しいですが
人の1年が、わんちゃん・ねこちゃんの4・5年に
小型犬やねこちゃんの1kgは、人の10kg前後と考えるとびっくりしませんか
気になることがあればご相談いただければと思います。
この連休を使って東京から神戸まで車で旅行中の短頭種のわんちゃんが調子が悪いと担ぎ込まれました。
熱中症です。
来院時には体温が42.5℃の高体温、あえぎ呼吸で危ない状態です。
42度を超える高体温が持続しますと、細胞障害と多臓器不全が起こってしまいます。
迅速に救命処置をおこないます。
来院時の血液検査で急性腎不全におちいっていましたが、本日無事に退院することができました。
春ですが、汗ばむ陽気の際は熱中症に気をつけなければいけません。
高温・多湿の車内・室内は特に注意しましょうね。