腹腔鏡下避妊手術のQ&A

当院では避妊手術の方法を開腹(一般的な方法)と腹腔鏡手術のどちらかで選んでもらっています。

腹腔鏡下避妊手術についてよく聞かれることにお答えします。

Q.2Kg以下のワンちゃんはできないと聞きました。

A.当院では小型犬のワンちゃんの手術実績が多く、1.5~2kg前後のワンちゃんの症例数が一番多いです。体重やサイズで手術できないとお断りしたことはありません。

この1年では 一番小さいサイズは、1.06kgのチワワちゃん、1.08kgのポメラニアンちゃんが小さかったです。反対に超大型犬は、セントバーナード犬の実績があります。

またネコちゃんも生後半年ぐらいですと2kg前後のことが多いですが、もちろんサイズに問題はございません。

Q.手術時間は長くなりますか?

A.当院での腹腔鏡下避妊手術の時間は30分とお伝えしています。

脂肪の少ないワンちゃんやネコちゃんですと20分前後で終わります。手術技術の向上と手術室の改良で時間短縮が可能となりました。さらなる進化を目指します。

Q.腹腔鏡手術は安全ですか?

A.すべての手術は十分な準備と十分な経験がないと行う資格がないと思っております。当院での腹腔鏡手術の結果、大きな問題を起こしたことはありません。開腹手術と比べておなかの中がよく見える方法です。剥離や切除後の微細な出血も見過ごしませんので、技術のある者が行えばより安全性は高いと思っております。

外科, 腹腔鏡手術

猫の膀胱結石

血尿で来院した猫ちゃん。

診察の結果は、膀胱結石でした。

手術方法は極細内視鏡使用の膀胱結石摘出術(腹腔鏡補助下膀胱結石摘出)です。

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ギザギザした痛そうな結石がたくさんとれました。

内視鏡でのぞいた様子です。

 

 

 

 

ずっとトイレでの様子がおかしかったようです。おうちに来た当初からそのような感じでしたとのこと。

術前は性格もおとなしくジャンプしたり走り回ることも無かったようです。

先日手術を行い、本日ホテルで来院された際に、すごく元気で走り回ってジャンプしていますと家族の方が驚かれて笑顔いっぱいでした。

私もうれしいです。

外科, 腹腔鏡手術

腹腔鏡下避妊手術

痛みや負担が少ない手術を目指しています。

たとえば避妊手術の方法では、通常の開腹手術と腹腔鏡でおこなう避妊手術から選択できます。

当院での腹腔鏡下の避妊手術の実績数が2015年内に、100件を超えていたようです。

全ての手術を術者、助手、麻酔医、外回り係と同じ固定メンバーで行った結果、

手術時間の大幅な短縮、術中所見のスタッフ間での共有などメリットがものすごくありました。

大きな合併症もなく症例を積み重ねることができたのは、スタッフのアシストあってのものだと思っています。

今後も改善点を見つけ、さらに負担の少ない方法を追及したいと思います。

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腹腔鏡手術

雌猫の尿道内結石

年末の手術は緊急症例が多いですね。

本日の手術は女の子の猫ちゃんの尿道内に詰まった結石の摘出でした。何度も排尿姿勢を取りつつも尿が出ないため、膀胱がパンパンでとても苦しい状況でした。

家族の方も一睡もできずに見守っていたようです。既に基礎疾患を持っている猫ちゃんですので麻酔管理も万全に行いました。

先ほどしっかりと尿道内にあった結石を腹腔鏡補助下で無事に終了しました。

わたしは雌ねこちゃんの外尿道口を内側から見たのは初めてでした。ここまでカメラで確認できれば石の取り残しなど起こるはずもなく大変安心です。術後管理がんばりましょう。STILL IMAGE

外科, 腹腔鏡手術

肝臓の生検検査

私が腹腔鏡を導入した理由のひとつには、腹腔内生検検査(一部の組織をとって検査をすること)を負担が少なく実施できることにあります。

たとえば健康診断の血液検査で肝酵素上昇があり内科治療を行っていたが改善が認められない場合は、腹腔鏡下での肝生検がしっかりとした診断治療のためには重要になることがあります。

肝臓の生検検査をするためには、通常の開腹下ではかなり大きな切開(お腹の上からおへその下まで)が必要です。

しかし腹腔鏡下の肝生検では、5mmの傷2か所、または3mmの傷1か所と5mmの傷1か所の計2か所と低侵襲に済みます。

この違いは相当に大きいです。

ただでさえ麻酔をかけて検査することに抵抗があるのに、さらに大きな切開が必要となると獣医師サイドも躊躇してしまいます。

腹腔鏡によって肝生検を実施したことにより、適切な治療を行えるようになる。

なんとなくの肝臓の治療を受けていることでの心配を取り除け、適切な治療方針に舵をとれる。

心配な点がありましたらご相談ください。

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写真のように近くまで寄って観察したり、お腹全体が観察できたりなどと通常の開腹より情報量も多く得られます。

 

 

 

 

 

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腹腔鏡手術

小型犬と猫の腹腔鏡下避妊手術

当院の患者さんの多くは地域がらか小型犬のわんちゃんで、猫ちゃんの来院が多いのも特徴かと思います。そして当院で腹腔鏡下避妊手術を受けられる方の多くも、わんちゃんでは1㎏~3㎏小型犬そして猫ちゃんです。

腹腔鏡手術の導入を検討していた時に、1~2kg台の小型犬と猫は小さいので手術しにくい(難しいのでやらない)との話を聞いておりました。しかし当院の患者さんの多くが手術対象ではないのであれば、腹腔鏡を導入する意味がありません。こういう話は反対にモチベーションが高くなります。腹腔鏡下避妊手術を、犬・猫・体重に関係なく行っております。特に猫・小型犬向けに3mmトロッカーを導入してからは、3mmの傷が2か所と5mmの傷が1か所でおこなえておりますのでさらに傷も小さく痛みが少ない手術がおこなえております。手術日当日に帰宅し食事がとれることもストレスが少ないので良いことですね。

また腹腔鏡の手術は手術時間がとても長くなるとの話もありますが、技術は日々の鍛練と学習により向上します。避妊手術に関しては開腹手術時と変わらない時間(切皮から縫合終了まで30分前後)でおこなっております。

今の手技が完璧だとは思っていませんので、麻酔法・痛みの管理・手術法については全て次の段階へ進めるように常に改善していかなければなりません。こういった改善が他の腫瘍外科や整形外科などの技術向上に役立ったりすることもあって当たり前かもしれませんがすべて繋がっていると思い興味深いです。

人の医療では腹腔鏡手術が低侵襲であること(からだにやさしい手術であること)を証明する論文はすでに発表されなくなってひさしいようです。このことは人医療で腹腔鏡手術が低侵襲であることは常識となったことを意味します。獣医師が推奨する方法は様々かもしれませんが、主観的な意見より客観的なデータは冷静な議論の材料となります。ただ当院のスタッフは現場で見ていて主観的にやさしい手術だと感じています。

当院の避妊手術方法は従来からの開腹手術と腹腔鏡手術のどちらにするかしっかりとご説明させていただき、そして相談し納得してどちらかを選んでいただければと思っております 😛

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上は大型犬用の5mmの長い鉗子

真中は中型犬用5mm鉗子

下は猫・小型犬用3mm鉗子

腹腔鏡手術

腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術

最近の膀胱結石摘出は、腹腔鏡補助下にておこなっております。

この手術手技のメリットは、皮膚の切開創の小ささはもちろんですが、膀胱自体の切開も10mm弱ですので非常に小さいです。

そのため術後のカテーテル管理も不必要なので、入院期間が短くて済みます。

そして最も大事なポイントとして、膀胱内(尿道内も)をカメラで確認しながら行いますので結石の取り残しがありません。

小さな石も鉗子で掴み、もっと小さな石は吸引管で直接吸ってしまいます。

(通常の開腹手術では、膀胱の外から触って石を触知したり、スプーンを粘膜にあてながら石をすくうや盲目的に鉗子を入れる等をして結石を取り出します。)

この膀胱鏡カメラを使っての手術をやってみる前には当たり前だった手技が非常にラフで生体にやさしくないことを知りました。

シュウ酸カルシウム結石など再発を繰り返してしまう疾患にも、低侵襲でベストな手術手技だと思われます。5102_8921_20140728085206.0

未分類, 腹腔鏡手術

猫の腹腔鏡下避妊手術

本日は成猫を保護されて家族として迎えられた雌猫ちゃんの腹腔鏡下避妊手術をおこないました。

実はこのネコちゃん避妊手術をしているのか不明でした。

ホルモン測定など事前にできることは実施しましたが、猫ちゃんの行動と検査センターでの測定結果の数値が合いません。

腹腔鏡を導入する以前は、背中側のあるかどうかわからない卵巣を探すためにはかなり大きな切開創が必要でした。

腹腔鏡下では5mmの傷1か所で、未避妊(卵巣がある)であることを確認でき、

そしてそのままポートの数を2か所増設し腹腔鏡下避妊手術を行いました。

大きな負担をかけることなく未避妊であることがわかり安全に手術できました。

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腹腔鏡手術

腹腔鏡下潜在精巣摘出術

先天的な異常で、本来は陰嚢に入らなくてはいけない精巣が腹腔内または鼠径部で停滞してしまうことがあります。

これを潜在精巣といいます。

陰嚢内にない精巣は精子を作ることができません。

今回のワンちゃん、右精巣はお腹の中、左精巣はソ径の皮膚の下にありました。

ですから繁殖することはできません。

正常な位置にない精巣は、将来腫瘍になる確率が約10倍高いデータなどから、今回の手術を決断されました。

お腹の中に精巣がある場合は、腫瘍化しても気づきにくいため早期の摘出をお勧めいたします。

体重2㎏の小さなワンちゃんですが

右精巣は腹腔鏡下潜在精巣摘出で2か所の5㎜の傷、左精巣はソ径部皮下精巣で5㎜の切開と小さな傷で手術ができました。

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腹腔鏡手術

避妊去勢手術はした方が良いですか?

『避妊去勢手術はした方が良いですか?』という質問をよく受けます。

個々の家族の方の考えを尊重しますが、私は「繁殖を考えていないのであれば、したほうがよいでしょう」と答えています。

自然のままにという考え方ですが、犬猫が人間と一緒に暮らしていくことは、自然の中で犬・猫が独立して暮らすこととは異なります。

繁殖期をむかえれば、雌雄が出会い交配し出産する。これは自然なことですが、人間と生活すればこうはいきません。繁殖期をむかえても繁殖行動に移すことができないことは、強いストレスになります。ひどい恋煩いですね。

避妊・去勢手術は病気予防の面でも、メスであれば子宮疾患・乳腺腫瘍、オスであれば前立腺疾患・肛門周囲線種・精巣腫瘍・会陰ヘルニアを予防できるメリットがあります。

デメリットは肥満しやすくなりますが、おやつや食事のカロリーを考えてあげることができれば太りません。今は様々なフードもありますので肥満させないようにすることは一緒に考えていくことができると思います。

ただ私自身も、痛いのや怖いのは嫌です。キライですね cry

自分の家族にも可能な限り負担の少ない方法を、と思っています。

獣医師になって以来、健康な子にメスを入れる避妊去勢手術に関しては特に、もっときれいに痛くなく負担が少ない手術がしたいと考えてきました。そして今は犬、猫の腹腔鏡手術による避妊手術を当院ではおこなっております。

本日抜糸に来院された腹腔鏡下避妊手術後のわんちゃんも『本当に手術したのかというぐらい元気でした』のことです。また本日の腹腔鏡下避妊手術後のわんちゃんも晩御飯をペロリと食べました。傷が小さく、痛みが少ないこの術式は、とても優れた手術方法だと思います。写真

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